心を貫く、自己啓発の機関銃。
衝撃で目を覚ます
芸術家岡本太郎からの、生きづらさに悩む僕たちへの強烈なメッセージが込められた本。
読むと頭がぐらぐらしてくる本だ。
冒頭でいきなり頭をバットで殴られたような衝撃が走り、そのまま胸ぐらを掴まれてぐわんぐわん揺さぶられる。
そしてこの感覚は読み終えるまでずっと続く。
知識や財産を蓄えるな。自分を叩きつぶせ。危険な道を行け。
著者の言葉が読者の魂に響くのは、きっと飾っていないから。
綺麗な言葉にしようとか、うまく言おうとか、そんな打算がないからこそ、言葉に信頼が生まれる。魂に響く。
筋を見つけ、筋を貫き、爽やかに生きるためのヒントが本書にはある。
筋に気づく
今を生きる僕たちは自由だ。便利な物やサービスにあふれ、食べることに困ることはない。
だがなぜか絶望し、悲観し、自ら命を絶つ若者は多い。
それなりに年齢を重ねた大人も例外ではない。自分がなぜ生きているか分からず、閉塞感に包まれている。
原因はきっと虚しさだ。変化が激しく先が見通せない。権力が作った狂ったルール。それに踊らされる自分を含めた大衆。
こんな時代、もし周囲を気にせず、瞬間瞬間に命を懸けて自分の人生を生き続けることができれば、虚しさなどなくなり、生きる力が湧いてくるはずだ。
限られた自分の人生の時間に何をどう賭けるか。これが著者の言う人生の筋だ。
人生の筋が見つかれば、きっと生きづらさなんて消えてなくなる。
筋を見つける
どうやって人生の筋を見つければいいのか。
今勤めている会社を辞めたい。何か別のことをしたい。だけど踏み切れない。
そんな僕のようなサラリーマンに対して、著者は言う。
何かしてみたいことがあるなら、悩むな。決断を下せ。うまくいかない方が面白い。
命を賭けて運命と対決したその瞬間、ぶつかるのは自分自身だ。
そしてその自分自身と闘う。勝ち負けは問題じゃない。真剣に闘うかどうかが問題なんだ。
結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分が筋を貫いたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。
失敗しても筋を貫けば爽やかだ。なんて素敵なエールなんだろう。
筋を貫く
たとえうまくいかなくても、自分自身の筋を通せば爽やか。そう思ったら、あとは始めるだけ。さあ何を始めるか。
自分だけでも無条件にやりたくなるもの、情熱を傾けることができるもの。
これを見出し、やり続けているうちに、生きる喜びが湧いてくる。
他人の目は関係ない。ありのままにやってみたいことをやる。失敗しても面白いし爽やかだからまたやる。
無条件に繰り返せば、何かが見つかる。心の赴くままに続ける。気づけば悩みなんかなくなっている。
爽やかに生きて、爽やかに死ぬ。素晴らしい人生じゃないか。
現実と折り合いをつけて、爽やかに生きる
著者からの強烈なメッセージを受け取った僕たちは、早速何かを始めるだろう。
だが現実はそう甘くない。
あえて危険な道を選んだ結果失敗し、大きな現実という絶望に襲われるかもしれない。
筋を貫けた自分自身は爽やかだと思えるかもしれない。だが家族は、自分が選んだ危険な道に一緒に連れて行ってしまったことで爽やかとは程遠い気持ちになっているかもしれない。
現実とは折り合いをつける必要がある。
人は多かれ少なかれ何かを背負って生きている。背負ったものを投げ出すわけにはいかない。
ならば背負っている大事なものを守りつつ、爽やかに生きる選択をしよう。
爽やかに生きるために筆を執っているこの瞬間、僕は間違いなく幸せだ。
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