御先祖様に顔向けできる生き方【限りある時間の使い方/オリバー・バークマン】

僕たちを 応援してくれている 人たちへ

時間が足りない。

仕事、家事、育児、勉強、瞑想、思い描いた通りにこなせない。全部中途半端になってしまう。

やる気はあるはずなのに、あっという間に日が暮れる。明日こそは早起きしてやるぞという決意虚しく、翌日また同じような1日を過ごしてしまう。毎日がその繰り返しだ。

でも、自暴自棄になる必要はない。そもそも全部できるわけがない。できないのが当然。そのことをゆっくり、丁寧に、納得できるまで教えてくれるのが本書だ。

人の平均寿命は短い。ものすごく、バカみたいに短い。

限りある時間の使い方|オリバー・バークマン 高橋璃子 訳

なぜ僕たちは思い通りに時間をコントロールし、全ての予定を完璧にこなすことができないのか。

その理由はシンプルだ。人生はあまりにも短いから。80歳まで生きられたとして、僕たちに与えられた時間はわずか4000週間だ。

この短い人生の時間の中で、毎日やりたいと思っていることを自分が満足できるまでやり切ることなんてことは不可能だ。まずはその現実を受け入れなければならない。

生産性が低い、やり方が非効率、そんなことを他人から言われるし自分でも思うことはあるだろう。もちろん反省して改善することは必要だし大切だが、大前提を忘れてはいけない。

短い人生の中で、全部何もかも完璧にこなすことは不可能だ。

できるはずなのにできていないと自分を責めるよりも、できもしないことに挑戦している自分を励ます方が、同じ状況でも気分良く生きられるはずだ。

本当の話、あなたが人生で何をするかは、そんなに重要なことじゃない。あなたが限られた時間をどう使おうと、宇宙はまったく、これっぽっちも気にしていないのだ。

限りある時間の使い方|オリバー・バークマン 高橋璃子 訳

もう1つ知っておくべきことがある。

僕たち1人1人の人生には、意味がないということだ。

僕たちが住むこの世界を作っている宇宙から見たら、地球に住む人類の歴史なんてものはちっぽけな点に過ぎない。

僕が仕事の生産性を高めて1時間早く仕事を片付けようと、全神経を集中して分刻みのスケジュールをこなそうと、宇宙は全く気にしていない。

宇宙は僕に興味がなく、僕の人生は短くて無意味。この圧倒的事実は、僕が完全に自由だということを教えてくれる。

だから好きにすればいいんだ。怠惰な自分を恥じることも、問題だらけの社会に対して怒ることも、宇宙という大きな視点から見れば、等しく意味がないのだから。

人生は短くて無意味。それが腑に落ちれば、今自分が抱えている悩みと、それに付随する多くのやるべきことは消えてなくなる。正に解放だ。

解放を経た後、残ったものに目を向けてみる。すると今まで自分が軽視していたことや先送りにしていたことが浮かび上がってくる。

それは決して自らの欲望のままに生きることではなく、少し煩わしいと感じていた、人と人との繋がりだったり、正しく生きることだったり、御先祖様のことだったりする。

とても短くて、とても無意味な人間の一生。それはきっと捨てたもんじゃない。

人に優しく、誇り高く生きて死ぬ。僕たちの祖先はきっと、ずっとそうしてきた。

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