34歳の男が「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」を観ると、なぜ泣いてしまうのか

2022年3月4日公開の「映画ドラえもん のび太の小宇宙戦争」を映画館で鑑賞した。

34歳の男がボロボロ泣いた。

映画に興味がない。ドラえもんにも興味がない。もうおっさんだしアニメなんて観ない。

そんなあなたにこそ、この映画を観てほしい。

むしろそんなあなたのために、この作品は作られた

映画の概要

「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」は、Wikipediaによると1985年に公開された同名作品のリメイクだ。

ちなみに「宇宙小戦争」は、「うちゅうしょうせんそう」ではなく、「リトルスターウォーズ」と読む。

あなたが生まれる前に作られた映画が、生まれ変わって今あなたの目の前に。

運命だ。今すぐチケットを予約しよう。

ストーリーでひと泣き

ストーリーは正に王道。

ドラえもんお馴染みのキャラクターたちが、映画オリジナルのキャラクターと出会い、悩みを解決する。

ド定番だ。中盤で結末は大体予想できる。

なのに泣いてしまった。パピの演説があまりにも最高だからだ。

若くして祖国の大統領となったパピ。反乱軍に捕まり、政権を譲らせるために国民に向かって演説する機会を与えられる。この時の演説に胸打たれた。

意志が強く、優しく、正直で、礼儀正しい。誰しもそうなりたい。そうなりたいのになれない。

それはなぜか?答えはこの演説の中にある。ぜひ劇場まで聞きに行ってほしい。

キャラクターの活躍でひと泣き

ドラえもんに登場するキャラクターたちは、みんな強い個性を持っている。

それぞれが個性を活かし、それぞれの役割をこなし、チームプレイでピンチを乗り越えていく。

僕らはこの展開が何なのか知っている。

そう。理想の会社だ。

会社だけなく、団体や家庭、あらゆる組織の理想の姿がここにある。メンバーが個々の強みを活かして、チーム共通の目的のために全力を尽くす。

そんな当たり前のことが、果たして自分にできているだろうか。自分のわがままではなく、チームのために貢献しているか?そもそもチームの目的を理解しているか?理解しようとしてすらいないのではないか?

ありがとうスネ夫。君のおかげで大事なことに気づくことができた。

FIREだのなんだの言う前に、今自分が所属しているチームで、チームの一員として全力を尽くしているか?そう自問して、少し泣いた。

スタッフロールでひと泣き

アニメ自体を観るのは久々だったが、そのクオリティーの高さに驚いた。

アニメーション、声優、音楽…映画を構成する全ての要素の技術が素晴らしく、その技術の高さだけで感動した。

大画面と大音響というシチュエーションを最大限に活かす演出。やはり映画は映画館で観るのが最高だ。

上映後に流れるスタッフロールを見ていると、たくさんの人たちが、観る人に感動を与えるために頑張ってこの映画を作ったんだということがわかる。

観る前はたかが子ども向けのアニメだと舐めていた僕は、プロの仕事に圧倒され、スタッフロールでまた泣くことになった。

振り返って大泣き

ひとしきり泣いた後、なぜ泣いてしまったのかを振り返って考えてみた。

作品自体の素晴らしさはもちろん、この作品に携わった人々の努力に思いを馳せることによって感情が揺さぶられ、涙が出た。

だがよくよく振り返ると、それだけではなかった。

この映画を通して見えたもの、それは自分自身であり、その姿に最も感情を動かされた。

隣で一緒に映画を観ている息子、登場するキャラクターの言動、素晴らしい映画の演出、それらを通して僕が見たものは、これまでの自分と、今の自分と、これからの自分だった。

かつてはテレビに齧り付いてドラえもんスペシャルを観ていた自分。いつの間にかアニメなんて子どもが観るものだと舐めるようになった自分。楽しそうに映画を観ている息子を見て微笑んでいる自分。キャラクターのセリフに感動し、涙を流す自分。スタッフロールで流れる人たちのことを勝手に想像し、また涙を流す自分。

「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」は、そんな自分自身の姿を全て映し出してくれた。

他人のために、他人と協力しながら自分の全力を尽くし、困難に立ち向かう。

映画に登場するキャラクターたちのそんな姿を見て、僕も常にそうありたいと強く思った。そのために今この瞬間にやるべきことに全力で集中する。これを繰り返せば人生はきっと充実していくはずだ。

おわりに

映画というものは、一時的なエンターテイメントだと思っていた。120分の作品ならその120分の間だけ感動して終わり。そんな消費の仕方をしていた。

だが今回、この映画を観てわかった。なぜ感動したかを考え、そのことを誰かに話し、得られた感動をこれからの生活に活かしていけば、映画はずっと楽しめる。

映画だけでなくあらゆるエンターテイメントがそうだ。人々に長く続く感動を与えられるものを作る。これがエンターテイメント制作の醍醐味なのだろう。

僕もいつか、誰かに感動を与え続けられるエンタメを作りたい。そのために、明日からまたサラリーマンを頑張ろう。

あなたもぜひ、「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」を映画館に観に行って、スクリーンに映るドラえもんたちと自分自身に出会い、涙してほしい。

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